悪癖

人の話していることに納得がいかなくなると私は、その人が意見を変えるまで話し続けてしまう癖がある。もちろん、自分の意見が間違っていたら、不利な場合は何も言えなくなってしまい、プスプス頭から火の粉が飛び出る気持ちになりながらも、しぶしぶ納得する。
しかしたちが悪いのが、相手に付け込む隙があるとき。徹底的に付け込んでいくのだ。周りから1つ1つ相手の意見をつぶしながら、最後に「どうだ!」的な。これがよくないのが、まずものすごい時間が必要なこと。数時間はやり続けるのでお互いへとへとになる。それとほんとに相手に隙がある場合、相手が物言えなくなる、納得とは程遠い次元で話が終わっていくため、お互いに嫌な気持ちで終焉すること。
思うに、目的を逸していることから永遠と話が始まる、マスターベーションに近い行為なのだろう。相手が窮地に追い込まれていくのを楽しんでみているような。だから自分が何も言えなくなった時や、相手がすぐに納得してしまう時の記憶はほとんどない。時間がかかり、かつ相手が徐々に崩れていったときのことほどよく覚えている。まさに悪癖といえる。
今日もまさに悪癖が職場でどーんと出現してしまった。部下といってもいい、同じグループの後輩に、まさに徹底的にやりこんでしまった。3時間30分。たちながらのマスターベーションだった。
元々3人での進捗報告会だったのだが、最後の彼の一言で話が始まった。どうみても彼のわがままてきなお願いだったのだが、それを退けるために彼の意見をつぶしにかかってしまった。きっと別の方法を提案して、彼のやり方を却下させるのがリーダーとして適切な運営なのだろう。途中から、もう一人(実は今年入社したばかりの新人だが)と言っていることがおかしいと言わんばかりの話し方になった。挙句、その新人から、欠席している僕の直下の後輩に調停してもらいましょう、と提案される始末。実はこの一言が最もショックだったのだが、とにかくその原因は僕の悪癖だ。今、いやな気分でこれを書いている。なんだかどうしようもない気分だ。

ところで新人の一言だが、私の悪癖というより、グループでの僕のキャラクターを言い当てていることにショックを受けていた。私よりも直下の後輩がリーダー的なのだ。私はどうしても人の上にたつキャラクターではなく、せいぜい年上だからまとめている、くらいらしく、最近少しは良い意味で貫禄が付いてきたと思っていたところの一言ということもあり、悪癖とあわせ、どん底に落ちていった思いだ。自分を律せ無い悲しさか、年を重ねても年相応のキャラクターには絶対になれないのだな。
さあ、家に帰ろう。