Distributed programming with Ruby

dRubyの英語の本があると聞いたので、那須塩原市図書館に購入リクエストをし、買ってもらうことができた。Mark Batesという方の「Distributed Programming with Ruby」という本だ。日本でdRubyの本と言えば作者本人の赤い本が有名だが、米国はじめ英語圏ではどうなのか気にはなっていた。というのも、その赤い本がThe Pragmatic Bookshelfシリーズで英訳の話があり、参考資料が(ほぼ)ソースコードだけでは辛いんだろうと勝手に思っていたからだ。このDistributed...でも本文中に
Although these libraries have been included with Ruby for many years now, they have received little or no attention (or documentation).
とあり、作者自身の執筆以外で英語の本が出るのはそれほど不思議な事ではないのだろう。

日本語のdRuby本を理解するのも難しい私にとって英語だとなおさらなので、目次と前書き、最初の章を少しだけ読んでみた。
構成はまずdRubyとRindaの基礎から始まり、その最初はお決まりのように、そして赤い本と同じくHello, Worldから始まる。ただJavaRMIでの実装との比較があり、JavaからRubyではないけど、RubyのアドバンテージをそこにもっていくのはdRubyの作者と違うところだ。それと赤い本でかなり丁寧に説明されている参照渡しと値渡しが、この本ではさらりとコラムに説明されているだけだったり、Rindaの目的がRingを使ったIPアドレスの解決だったりするのも著者の考え方の違いがわかっておもしろい。またこの本ではそのページの多くを、dRubyをベースにしたライブラリーやフレームワーク、またはdRubyを使っていない分散ライブラリーの紹介に裂いている。全く知らないものばかりなのだけど、例えばRingyDingyとかStarfishというのが載っている。そして最後にはRuby on Railsの話に及んでいる。

本文前書きに対象ユーザーが書かれているけど、Rubyのことをそれなりに知っていて、かつ分散システムも知っている人に対して、dRubyや、それに近いライブラリーやフレームワークを紹介する本のようだ。私にとって身近なdRubyに関する書籍が日本以外で出版されていることが嬉しく思えた。初刷りが買えるかどうかわからないけど、興味ある人は購入してみてはどうだろう。

Distributed Programming with Ruby (Addison-Wesley Professional Ruby Series)

Distributed Programming with Ruby (Addison-Wesley Professional Ruby Series)

もちろん、その前にこちらの購入もお忘れなく。

dRubyによる分散・Webプログラミング

dRubyによる分散・Webプログラミング

地元情報だけど、この本、西那須野の南公民館にある、那須塩原市図書館の南分室に置かれてしまう可能性が大きいです。赤い本やその前の黄色い本が置かれている旧西那須野図書館に移動してもらうよう、お願いするつもりでいますが、、、、