妄想、イメージ

私がスキーをがんばっていた頃、よくコーチから滑る前に良いイメージを頭に浮かべるようと指導された。当時はなんとなく頭に思い浮かべるのだけど、滑り始めるとすっかり忘れてしまい、その効果がわからないでいた。しかし技術が上がるにつれ、かなり鮮明に滑る時に自分が見るだろう光景を頭に浮かべることができるようになり、その通りに滑ることができなかった時は、なぜできなかったのかを1ターン精度でふりかえるようになり、逆にイメージ通りに滑ることができると強い達成感を感じるようになった。
ところで1年程前から、仕事の場で妄想にのめり込んでいる自分に気付くようになった。その妄想がいつもかなり具体的で、誰々がどの定例会議でこんな発言をしていて、それを聴いている誰々が深くうなづいている、といった感じなのだ。多くの場合、自分の理想を妄想しているに過ぎないのだけど、でもいくつかはほとんどその妄想通りに実現できていることもある。実はこの妄想は先に言ったイメージに他ならない。おそらく具体的なイメージが仕事における行動を喚起しているのだろう。また具体的なイメージが実現した時のワクワク感から、モチベーションにもなっているのだろう。とにかく、実現した時は涙が出る程嬉しいのだ。
イメージというと前述のスポーツではよく行われる行為だが、私のようにグループの管理行為やグループにとって新しいソフト開発方法を導入する時にも有効であることがわかった。一見、当たり前のことだけど、何か行動を起こす時に、なるべく具体的に、そして細かいところまでイメージすることは、実現への近道を示してくれると私は感じている。