すばらしいシェフ達
- 作者: キンバリー・ウィザースプーン,アンドリュー・フリードマン,実川元子,松野泰子
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/10/23
- メディア: 単行本
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有名シェフの失敗談を集めたもの。
ついくすくすっと笑ってしまう物から、冗談ではすまされない失敗談まで様々なエピソードが書かれている。私は料理に疎いのでシェフの名前を見てもわからないのだけど、かなり有名な方々らしく、失敗した時のリカバリー力の凄さ、特にリカバリーのアイデアには驚かされた。ただ人系のトラブルには四苦八苦しているシェフが多いようで、この辺はソフト開発と共通していて共感できた。
ところでソフト開発でシェフというとシェフモード、コックモードを思い出す。ただこの本を読んでいて、多くのシェフと多くのコックが登場するが、コックというのはシェフになるために通る下積み期間という側面があるので、コックモードはいずれシェフモードになる通過点であってシェフモードになれないことはマイナスなイメージに感じた。
話を戻す。シェフの資質として料理の技術とリーダとしてチームを動かしていく力が必要だ。もしトラブルが発生したとき、自分の技術で難局を乗り越えられるケースとそうでないケース、また自分の料理人としての技量を使わずに、人を動かして乗り越えられたりダメだったりするケースが書かれている。決め手はシェフの判断だ。やっぱりそうなんだよね。ソフト開発も同様、最後はチームリーダーの判断次第である。そして判断の正確さは、リーダーがコックとして歩んできた道、つまりプログラマーとしていかに多くのコードを書きデバックで苦労したかに因っていると言い切れるだろう。
やはり銀の弾丸的な解はこの世には存在しないが、反面、苦労と努力を惜しまなかったことで業績を残したシェフがいるのだから、プログラマーもがんばらないといけないな。