NHK-Eのスタンフォード白熱教室の第3回を見て

最高の家族旅行と最悪の家族旅行をグループ事に考え、それぞれのタイトルをつけさせ、そして最高の家族旅行のタイトルを破棄させる。代わりに最悪の家族旅行のタイトルをグループ同士で交換をして、それを最高の家族旅行に作り変える。
次にファストフード店の常識をあげ、それぞれを誇張させる。次にそれら誇張した事柄の反対の事象を考える。この誇張した事象と反対の事象を1つづつ選び、そこから新しいコンセプトのレストランを創りだす。
これらは発想の転換から新しいアイデアを引き出す手法。常識からだけだとその延長線上ものしか出にくかったりするが、逆の状態を想像したり誇張することで全く新しいアイデアが出やすくなる。
この逆を考えるというのは私には新鮮だった。学生の感想にもあったけど、最高のアイデアはリミットをかけてしまいやすいが、最悪の方はリミットがかかりにくく新しい発想が出やすい傾向がある。また最悪や誇張はちょっと奇抜であり得ないアイデアが多くなり、一見ふざけているようだが実はそれが新しく素晴らしい革新的なアイデアの種になる。順方向で息詰まった時や、一旦考えを発散させる時には有効な手法だ。
この両極端に振る手法はなにもアイデア創出の場面だけに限らず、例えばある事柄を上位から俯瞰して理解したい場合にも有効だ。直面している、もしくは見えている範囲から理解を拡げようとしても本質にたどり着けない場合が多い。しかし正負に極端にふってみると見えていない部分の動きや状態に気付け、それが理解につながる。
そう考えると革新的なアイデアというのは実は事柄の理解を深め、見えていないところへの気づきなのかもしれない。