気が済むまで聞く

朝会で若いメンバーKが「○○検討していましたが、煮え切りました」との発言し、メンバーの笑いをとっていた。ほんとに言い間違えだったようだけど、話を聞くとかなり煮詰まった状態で、なぜこうなる前に気付けなかったかとふりかえってみた。

Kはその前日、前々日と社内教育等であまり席にはおらず、その前の朝会で2日間は何もできないと宣言していた。でも実際は残業時間を使って作業をしており、「煮え切って」しまったようなのだ。私はその2日間で実は何度も彼を見かけていたのに、何も話しかけなかった。教育の合間の短い休み時間なのだろうし、また作業もそれほどできていないと思い込んでいたからだ。また具体的な教育日程を聞かなかったのは、教育という、私からはコントロールできない事象で、聞いても仕方がないと思ってしまったからだ。

私は朝会に頼りすぎていたんじゃないかな。
朝会は、本来の目的を達成するのはそれほど難しくないが、それ以上の効果、といか朝会があるから大丈夫と思い込みがちなプラクティスに感じる。一人わずか5分程度で十分な説明もできないことは誰でもわかるのに。それとその前の朝会ですでに煮え切る兆候があったのを見逃したこともある。私の朝会メモには「途中で成果を見合わせる」とあって、途中経過をみないと危なそうという、つまり最初からできそうにないという彼の態度があったのにだ。その時点で、その次の日に少し注意して見ておくことはできたはず。

ほぼ日で、元巨人軍監督の藤田さんと糸井さんの対談で以下のような部分がある。

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毎日ひとりずつ声をかけて聞くようにしましたね。
けっこう、選手にとっては
うるさかったんじゃないですかねぇ、毎日。
でも、ぼくは聞かないと気が済まないんですね。

「あ、きょう、コイツはまずい」と思うと、
早めに手を打って冗談を言ったり、
そばへ行って蹴飛ばしたりして、気分を変えないと。

http://www.1101.com/webshinsho/03/fujita/07.html
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まずいと気付けて、早めに手を打つ。気が済まないからとはいえ、人に聞くことを大事にしているのが印象的だった。躊躇するくらいなら聞いた方が良い。自分の気が済むまで聞くことが、そもそも欠けているんだろう。